10月17日(土) 行こうと思っていた場所をひとつ諦めて、今日は朝からMYさんと出掛ける。競技中なのにちょっと歩きに行こうと思えるのは、織田君の演技に安心したからかな。点数は少しばかり伸びなかったけれど、演技そのものはよかった。きっと今日もいいものが見れることだろう。
歩いて行ける場所にある市場に向かう。何を買うというわけでもないけれど、小さなのみの市があるらしい。野菜や果物が盛られた店を、「買ってもしょうがないしねー」と言いながら、それでもキョロキョロ歩いていると、のみの市の広場を通り過ぎてしまったようだ。時々雨がパラパラッと落ちてくる中をぶらぶら歩く。のみの市で売られている物の中には「これは売り物になるのか?」というような物も多かった。片方だけのイヤリングとか、ティファール
の偽物とか、使うのにかなり勇気がいりそうな食器とか。古本の中に1册目にとまるものがあったので、1ユーロでそれを買い、そのまま向かいにある屋内のマーケットへ。そこに花屋があったので、「花、投げよっか」と2人でそれぞれ買う。上を閉じてという注文には応じてくれたけど、どうも華やかさに欠けるので、リボンとカードと、その後始末に使うセロハンテープを求めて、まずはリヨン駅の方に戻る。今日も長丁場で食べ損ねると辛いので、そこで先にお昼を済ませた。土曜日のせいかビルの中の店が軒並み閉まっていた。1軒だけ開いていたところで、サラダと飲み物とバゲットのセットを買った。ガイドブックを見て売っていそうな店を探し、ムダにうろうろするよりはと、地下鉄で目的の場所へ移動。最初の2軒の文房具屋にはなかった。文房具というよりかわいいステーショナリばっかり。3軒目は「MUJI」(無印良品)。ここでテープを購入。
ここから大通りに戻り、その辺の店の人に教えてもらったモノプリに向かう。あった! 希望のものとはだいぶ違うけど、時間も無限にあるわけじゃないし、買っただけではことは済まない。
昨日と違い、競技開始前なので入場の列がすごい。幅の広い入り口があるので、そこに人を配置すればスムーズに流れると思うのだけれど、たぶんチケットのバーコードを読み取る機械が足りないんだな。非効率的な入場で、手荷物検査もないのに競技会死に間に合わない人多数。花にカードをつけて、ラッピングをやり直して中へ。
今日の席は前から5列目。リンクサイドは狭く、花は余裕で届きそう。得点が出るのが割と早く、フリーなのにサクサク進む。第2グループの選手たちがリンクサイドに現れると、もう気が気じゃない。前の席の人はトマーシュファンらしい。6分間練習からそれぞれ声援がすごい。織田君は6分間で4回転はやらなかった。何度かアクセルを失敗し、なんとなく重苦しい気持ちになる。調子が悪そうには見えないけれど。ありがたいことに地元選手のあとではなく「これのあとじゃなくてよかったねー」などと言いつつ、競技は進む。
名前をコールされ始めると同時に飛び出していく織田君。日本語の歓声いっぱい♪ 前の席のトマーシュファンの女性も、聞き覚えて「ガンバレ〜」って叫んでくれた。
すっとぼけた表情でクルクルッと滑り出す。あぁ、始まっちゃったよぅ。最初は単独のルッツ。6分間でミスしているのでアクセルが怖い。でも、キレイに3-3コンボ。2回目のルッツでは「コンボにするのよっ!」と念を送り、気がつくと「がんばれ‥‥がんばれ‥‥」と呟いていた。頭の芯がじーんとなり、見えているんだか聞こえているんだか、3F-2Tを跳んだころにはコンボが何回目かも分からなくなるぐらい脳みそ沸騰。ストレートラインで大きな大きな手拍子。スピンが昨日より格段にいい! そして滑り終えた織田君の嬉しそうな顔!! あ、そうだ。お花だ、お花。足下に置いてあった花を持って顔をあげると、前にいる人たちが全員立ち上がっていて、リンクは見えなくなっていた。見当をつけて思いきり投げる。久しぶりだなぁ。日本では投げられなかったもんね。キスクラがお花でいっぱいになっているのを見て、すご〜く嬉しかった。点数が表示されると織田君、フニャ〜ッと力が抜ける。「やったー!」というより「よかった‥‥点出たぁ‥‥」という感じ。
トマーシュ君はやりにくいだろうけど、こういう状況にはけっこう燃えるタイプなんじゃないかと勝手に思っている
(^ ^) 織田君の応援をしてくれたトマーシュファンにお返しの声援。もちろん織田君に優勝はして欲しい。でも織田君がもし優勝できないとすると、それはこれからトマーシュのすごい演技が見れるってこと。うーん、複雑だけど。
最初の4-3‥‥‥そして3Tに続いて3A。3A-3Tがキマったあたりで「負けたかもしれない」と思った。その後、ジャンプがダブルになるなどのミスがあったけど、去年の初戦に比べたらすごくよかった。演技そのものは崩れたという感じではなかった。織田君のあのフリーの後では、優勝するためにはひとつのミスも許されなかっただけだ。
織田君はこれまでGPSで表彰台に乗れなかったことは一度もない。けれど、それが普通なんていう感覚には永久になれそうもないなぁ。圧倒的に強いっていうのはどんな心境なんだろうね。それはそれで辛いものなんだろうな。
続くペアの競技を見ながら、まだ放心状態。さっきの織田君の、もう1回見たいなぁ。
ペアの後で表彰式。国旗掲揚で起立したものの、国旗がどこにも見当たらない。なんと、国旗は大型スクリーンの中でスルスルと上がり、曲をかなり余らせてピタリと止まった。もう、いらんとこだけ合理的なんだから!
真ん中に立った織田君は嬉しそう。まだ、もっともっとできるよ。だけど今日のFSが忘れられないものになるのは間違いない。この大会の表彰台、1、2、3位の段差がとても少ない。結構な段差がありながら、いつぞやのNHK杯みたいになるのもアレだけど、やっぱりもうちょっと差が欲しいなぁ。次戦はエヴァンが一緒だ。頑張れ織田君! いろんな意味で!!
女子から後はチケットが別なので、一旦退場しなければならない。面倒だけど、少し時間があるのは助かる。この時間にそばのホテルで両替。何か食べようということになったけど、その辺りの店はどこも満席。待っている時間はあまりないので、諦めて外の階段でチョコレートをかじりつつ、ネットなどチェック。
女子の競技が日本vs韓国の様相。今いる場所がフランスだとは思えない。ダンスの表彰式まで見るともうかなりの時間。会場の外でMYさんと別れ、ホテルに帰った。競技が終わってホッとすると景色も違って見えてくる。観光で来たときには別に愛着はなかったけれど、今回、パリは懐かしい場所になった。