10月16日(金) 目覚ましが鳴る1時間前に目が覚めた。それでも充分な時間は寝た。飛行機で散々寝たくせに疲れてたのかな。昨日行けなかったオルセー美術館の他にも今日中に行きたいところがいくつかある。
午前7時になっても外はまだ真っ暗。外に出ると今さっきまで降っていましたという感じで地面がぬれていた。気温は低く、歩いていると手が冷たくなった。首筋が寒くてマフラーを巻く。まず最初にチャップリンのお気に入りだったというお店に。何がお気に入りだったかは分からないので、フリーのプログラムと衣装と願望(!)でイメージして選ぶ。店の中には欲しくなるようなものがいっぱいだったけど、正味2日しかないのにあれこれ買ってもしかたがない。
次にオルセー美術館へ。なんとなく早くから開いていると思い込んでいたので、開館時感を確かめずにきてしまったけど、ついたら開館5分前だった。イーゼルを抱えた学生多数。入り口のセキュリティが空港並み。本気で美術品に害をなそうとする人が本当にいたら、ちょっとやそっとの手荷物検査ではどうしようもないと思うけどねぇ。ここで見たいものはひとつ。久しぶりに見るその絵はすぐに見つかった。その画家の展示室に入ると、探さなくても目が向いた。絵は記憶の中で、美化されるのではなく風化していた。初めて見たときと同じ衝撃でしばらくその絵を眺めていた。織田君のスケートを見るときと同じ。ものすごく幸せな時間なのに、気持ちがうわずってその幸せを実感しきれないようなもどかしさ。近寄ったり離れたり、飽かず眺め、一旦展示室を出て、オペラ座の模型を見に行き、7階の売店に行ってサンドイッチとコーヒーを買い、次に行きたい場所の道順を確認した。そしてもう一度展示室に戻り、ひとしきり眺めて、後ろ髪をひかれつつ外に出る。ふたたび見る機会があるかどうか。ロビーのショップで本と絵葉書を買い、RERと地下鉄を乗り継いでシャトレへ。シャトレ駅は大阪で 言うとなんばみたいな感じで、いくつもの線が交差している。決して雰囲気は似ていない。出口が広範囲にあり、出た場所がどこか分からない。こりゃぁ迷子にもなるヮと思い、歩道にある地図と自分の地図を念入りに見比べ、通りの名前を確かめて歩き出す。
最初に文具店。想像していたよりずっとずっと小さく、ちょっと入りにくいけれど、思いきってドアを開ける。何もかもがかわいくていろいろ欲しくなるけれど、いい値段している。写真用のアルバムを1册買った。次に晩ご飯の調達。競技が終わるとかなり遅いので、あまり出歩きたくはない。同じ通りにあるベトナム料理の総菜屋で適当に選び、パックしてもらった。そこそこいい時間になったので、ホテルに戻り荷物を置いて、今度はバナーと上着を持って出掛ける。ここで初めてMYさんと合流。チケットの手配をすべてやってくださって感謝、感謝♪
まず、リヨン駅の近くで昼食。白いご飯と肉団子の煮込みに飲み物、デザート、バゲットがセットになっているのを注文。バゲット以外は自由に選べる。ご飯はタイ米みたいな細長い、ちょっとパサパサしたやつだけど、和食とは言わないまでもいい加減パンじゃないものが食べたい。いつもは試合の時、ほとんど昼は食べない。座ってじっとしていれば自然と競技のことを考えるし、そうなったらもうとても食べられたものではない。それじゃもたないからと思ってアメやチョコレートを持っていても、それすら口に入れることができない。今回お昼を食べているのは、MYさんというお連れがいて気が紛れているからだなぁ。
食事を済ませ、歩いて会場に向かう。公園が隣接していたり外壁(?)の一部に芝生の急斜面(???)があったりで緑が多い。斜面のてっぺんで芝刈りをしている人がいたけど、上からも下からも手が届かないほとんどの部分をどうやって刈るんだろうか。チケットを見せて中に入り(セキュリティチェックなし!)まずバナーを張る。MYさんによると、会場には初日だけ、6000人の地元の小学生が招待されているらしい。小学生たちはもちろん、スケートが好きな子が集められているわけではなく、ごそごそ、キョロキョロ。コンパルソリ、子供にはちょっと退屈かもね。それでも、演技が終わったときと得点が表示されたときは歓声と拍手。点数の高低にはあまり関係なさそうに見えたけれど、テッサ&スコットの高得点には本物の歓声。CDが終わり、男子のジャッジが紹介されると、フランスのジャッジに大歓声。シラ〜ッとしているよりはマシだけどね。
第1グループだと心の準備をする暇がない。私が準備をする必要もないけれど、ファンファーレが鳴るともうリンクに現れる。6番滑走とはいえ、1番と一緒。織田君はさらっと流す程度。1番滑走かと思うようなあっさり風味。よほど調子が良いとしか思えない。そして見ている方は、その方がずっとずっと緊張するなぁ。
心臓の上をトントンと叩く織田君。いつものしぐさを見てちょっと安心。勢いはあるけど丁寧な演技だった。アクセルがキマるとやっぱりホッとする。スピンが「うーん」だったり「おっとっと」だったりしたところはあったけれど、全体にとてもいい♪ SPにこういう曲調好きだなぁ。8年前のソルトレイク五輪の年=初出場の全日本の年以来かな、こういうの。欲を言えば、「えいっ!」ていう元気の良さというか気迫というか、鼻息荒い感じだと最高にかっこいいかも。PCSが低めなのは、滑走順と、後に残っている顔ぶれもあるかな。後日見たスポーツ新聞では「低い点数に不満で浮かない顔」みたいに書いているところがあったけれど、選手がそういうものの考え方するわけないでしょ。スポーツ新聞ってばホントに思考回路が下衆なんだから。
SPからけっこうな人数の選手が4回転を入れてきた。回転不足にかんするルールが緩和されたとはいえ、4回転の出来がSPの結果に大きく影響。ダメもとというわけではないだろうけど、SPの短さでは印象的にも自分のダメージ的にも取り戻すことができない。でも、4回転を跳びたい、プログラムに入れたいという気持ちはいいなぁ。何度の高いジャンプを跳ぶことと、高得点を目指すこととは場合によっては両立しないけれど、挑戦と回避、どちらも戦略としてありなのだと思う。跳んで失敗した選手もあれこれ言われるのかもしれないけど、外野が口を出す話じゃないよなぁ。
会場を盛り上げていた(?)小学生たちは、ほとんどがここで帰った。授業の一環では夜まではいられないか。もったいないなぁ。
その後、ペアSP、女子SPがあり、それが終わると最前列に陣取っていた韓国の応援団がごっそりいなくなった。客席で見ていた織田先生も記者会見があるからと戻って行かれた。なんとなく少し温度が下がった会場でODを見る。ダンスの皆さんは過酷なスケジュールだ。シニアでは滅多に見ないけれど、CDで転倒でもした日にゃ、その日のうちに切り替えるって大変そう。競技と競技の間は何して過ごす? 練習? しんどそうだなぁ。ODの課題はカントリー・フォークなので、衣装が可愛くて楽しい。
女子は悔しいけれど、ユナ・キムだけがまったく違った。
すべて終わって外に出ると、すごく寒くなっていた。持っていた上着をもう1枚着込んでホテルまで歩く。今回はバナーを外さなくていいのですごく楽。部屋に戻り、ベトナム料理の晩ご飯を食べて、パソコンを開いたものの、ほとんど何もしないまま力尽きる。
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